『まほうのスープ』
文:ミヒャエル・エンデ/絵:ティーノ/訳:ささきたづこ
(1991年刊)
あらすじ
山の左側と右側にある小さな2つの国の間で、魔女から贈られたまほうのスープ鉢とスプーンを巡って巻き起こるどこか滑稽な騒動のお話。まほうのスープ鉢は、対となるまほうのスプーンでかき混ぜると、“いままでのんだことがないような、おいしくて栄養たっぷりのスープ”が際限なく溢れてくるという。でも、スープ鉢とスプーンはそれぞれ左と右の王国に贈られたもの。両国の国王とお妃は何とかして互いの品を手に入れ、まほうのスープを自国のものにしようとするが…。
感想・おすすめポイント
物語はそれなりに複雑で、何より左と右の王国で同じようなことが繰り返されるので、そこが面白くもありつつ、小さい子どもにはなかなか理解が難しいところ。
各国王とお妃は目先に囚われる愚かな大人として描かれ、彼らがそれぞれスープ鉢とスプーンを手に入れようとバカバカしい試行錯誤を繰り返し問題を大きくしていく一方で、聡明で純真な王子と姫にはどうしたらいいかなんてことは一目瞭然なんです。だって、2つは一緒でなければ意味がないんだから。結末は実に爽やかで示唆に富み、読後感も悪くないです。ただどうしても読み聞かせは疲れますね!読み聞かせというよりは自分で読める年齢のお子さん向けの本だと思います。
かつて幼い頃に私が叔父から贈られた本で、当時既に本を読める年齢ではあったものの、なかなか読み進められず長いこと本棚の肥やしとなっていました。これがようやく読めた時には達成感を感じたことを覚えています。でもこの本がかのミヒャエル・エンデ作だというのは恥ずかしながら大人になるまで知らないままでした。
どう考えても3歳児に読み聞かせる本ではないのですが、何故か実家の本棚から引っ張り出してきた我が子にせがまれたので数日に分けて読んでみたところ、毎晩熱心に聞き続け、理解が追いつかない箇所がありながらもきちんと最後まで楽しんでくれました。子どもというのは常に自分の想定外をゆくものです。
メモ
■初めて読み聞かせた年齢:3歳
おすすめは小学生以降だと思いますが、長めの読み聞かせがいける子なら幼稚園からいけるかな。それなりのボリュームがあります。読み聞かせよりは自読向き。
■読んだきっかけ:実家にあった
□なんとなく評価(最大5)
・わかりやすい言葉づかい:☆☆
・理解しやすい物語:☆☆
・我が子にウケた:☆☆☆☆☆
・自分が面白かった:☆☆☆
・絵の多さ:☆☆☆
国同士の問題なので、スパイや戦争、捕虜の概念などを伝えるのは3歳児相手ではそれなりに難しかったですね……。また、絵が独特なので物語より気になる箇所が出てきてしまうことも。
大きい子ならもう少し違う楽しみ方もできると思います。


